私はビジネス街の一角にあるマンションで暮らしています。
平日の仕事のある日には大変便利なのですが、休日にもスーツを着たビジネスパーソンを見かけ、また森林のある広い公園も近くにないため、近所に外出してもあまり気が休まりません。
心の休まる場所を求めて都会を離れ、かつ今の仕事を続けるとすると、新幹線通勤という選択肢が見えてきました。
残念ながら私と妻の勤務地や実家との距離を考えると実現することはありません。しかし調べると市の補助金など興味深い情報が出てきましたので、ここにまとめて見たいと思います。いずれも本日時点の情報です。
まず新幹線通勤のメリットとデメリットを挙げてみます。
メリット
- 都心から距離があるため住宅費が安い。
- 通勤ラッシュが無く、確実に座れる。さらに食事やトイレも自由にでき、コンセントも利用できる。
- 都会の雑踏から離れて生活できる。
デメリット
- 通勤費が高く、また通勤時間が長い。
- 新幹線なので乗り過ごした場合のリスクが高い。
- 車の所持が必須な生活になる可能性が高い。
具体的な例で計算してみましょう。
勤務地を東京都の新橋駅から徒歩10分とし、住む場所を神奈川県の川崎駅と栃木県の那須塩原駅、住宅は賃貸1LDK50m2の駅から徒歩15分以内の築15年以内で仮定してみます。会社から住宅補助が月5万円、定期券代は乗車券代金のみで月最大15万円とします。(優良な福利厚生ですね)
川崎駅の場合:
- 家賃15.5万円。負担10.5万円。
- 定期代9,050円。負担0円。
- 車は使いたいときだけカーシェアを利用し月1万円。
- 通勤時間40分。
那須塩原駅の場合:
- 家賃6.3万円。負担1.3万円。
- 定期代129,720円。負担55,570円。(特急券代金)
- 車の維持費として月1.5万円。
- 通勤時間1時間50分。
那須塩原駅に住む方が金銭負担が3万円ほど安いようですが、通勤時間がさらに1時間かかります。
これをどのように感じるかは上述のメリットデメリットを鑑みた人それぞれ異なるでしょう。私はあまり魅力的に感じません。
仮定する条件で結果は大きく変わりますので興味のある方は会社の福利厚生に当てはめて計算してみましょう。なお定期券代は月額15万円を超える分が課税対象となりますので税金分だけ損します。
次に郊外の市が行なっている制度を紹介します。独自に住宅補助金や通勤費補助金を給付している市があり、これらを利用することで上述の例の結果がまた変わってきます。
ただし補助金のほとんどは、その市に住宅を購入することや一定の期間以上住むことが条件となっており、さらに補助金の給付期間も数年のみと限定的となっています。
ここでは通勤補助に焦点を当てます。新幹線通勤以外に特急列車通勤も取り上げます。
那須塩原市
- 補助金: 上限1万円
- 給付期間: 3年間
- 条件: ほぼ新卒社会人のみ。
- 詳細は那須塩原市のホームページから。
熊谷市
- 補助金: 上限2万円
- 給付期間: 2年間
- 条件: 熊谷市内に住宅を購入する。(賃貸やリフォームは対象外)
- 詳細は熊谷市のホームページから。
湯沢町
- 補助金: 上限5万円
- 給付期間: 10年間
- 条件: 湯沢町に15年以上居住している30歳未満の人。
- 詳細は湯沢町のホームページから。
小諸市
- 補助金: 年間上限15万円
- 給付期間: なし
- 条件: 小諸市内に住宅を購入する。(賃貸やリフォームは対象外)
- 詳細は小諸市のホームページから。
佐久市
- 補助金: 年間上限30万円
- 給付期間: 3年間
- 条件: 佐久市内に住宅を購入する。(賃貸やリフォームは対象外)
- 詳細は佐久市のホームページから。
石岡市
- 補助金: 16,000円
- 給付期間: なし
- 条件: 石岡市に住所を有する45歳以下。
- 詳細は石岡市のホームページから。
いずれも良い制度ではありますが、転勤のある会社勤めの方には厳しいようにも感じます。
生活拠点を移す以上は居住環境や子育て環境など、考慮すべきことは数多くございますが、都会の喧騒や通勤ラッシュに疲弊している方は一考されると面白いですよ。